正社員に疲れたからフリーターはアリ？後悔しないための判断基準

正社員に疲れたからフリーターになりたい…本当に大丈夫？

毎日の満員電車、終わらない仕事、人間関係のストレス。「もう正社員は疲れた…フリーターになりたい」と感じてしまうことは、決して珍しいことではありません。

ですが、勢いで決断する前に、一度立ち止まって考えてみることが大切です。フリーターという働き方を選ぶことが、本当に自分にとってベストな選択なのか、冷静に判断するためのポイントを解説します。

勢いで辞めると後悔する可能性がある

今の辛さから逃げたい一心で後悔する可能性を考えずに会社を辞めてしまうと、後で「こんなはずじゃなかった」と感じることがあります。フリーターになってみて初めて、正社員のありがたみに気づくことも少なくありません。例えば、収入が不安定でお金の心配が絶えなかったり、将来への漠然とした不安に悩まされたりすることがあります。感情的に決断するのではなく、一度冷静になって、フリーターという選択肢を多角的に検討することが重要です。

一時的な休息かフリーターになるか見極める

あなたが感じている疲れは、一時的な疲れが原因かもしれません。今の仕事が忙しすぎたり、特定のプロジェクトで大きなストレスを感じていたりする場合、少し休めば回復することもあります。まずは有給休暇を取得してリフレッシュしたり、長期休暇を取ったりして、心と体を休ませてみましょう。それでも「やはりこの働き方は無理だ」と感じるなら、その時に初めてフリーターや転職といった次のステップを具体的に考えると良いでしょう。

フリーターを選んだ後の生活を想像する

もしフリーターになったら、自分の生活がどう変わるかを具体的に想像してみましょう。例えば、毎月どれくらいの収入が必要で、そのためには週に何日、何時間働く必要があるのかを計算します。また、自由になった時間で何をしたいのか、将来のためにどんなスキルを身につけたいのかを考えることも大切です。具体的な生活をイメージすることで、フリーターという選択が現実的かどうか、自分に合っているかどうかを判断する手助けになります。

正社員からフリーターになるメリット

正社員からフリーターになることには、もちろん良い面もあります。具体的には以下の通りです。

働く時間や場所の自由度が高まる

フリーターの最大の魅力は、働く時間や場所の自由度が高いことです。正社員のように毎日決まった時間に出勤する必要はなく、「午前中だけ」「週3日だけ」といったように自分の都合に合わせてシフトを組めます。短期や単発の仕事を選べば、働く場所も固定されません。自分のライフスタイルを大切にしながら、柔軟に働きたい人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

仕事の責任や精神的なプレッシャーが軽くなる

仕事に対するプレッシャーから解放される点もメリットの一つです。正社員は会社の業績に関わる大きな責任や、厳しいノルマを課されることがあります。一方、フリーターの仕事は業務範囲が限定されていることが多く、精神的な負担は比較的軽くなります。仕事の責任からくるストレスで疲弊してしまった人にとっては、心に余裕を持って働ける環境は魅力的です。

プライベートの時間を確保しやすくなる

働き方を自分でコントロールできるため、プライベートの時間を充実させやすいです。残業が少なく、休日もしっかり確保できる仕事を選べば、趣味や旅行、資格の勉強など、自分のやりたいことに時間を使えます。夢を追いかけるための活動や、家族と過ごす時間を大切にしたい人にとって、フリーターは時間を有効に使える働き方です。

辞めたいときにすぐ辞めやすい

仕事のミスマッチを感じた時に辞めやすいのもフリーターの特徴です。正社員の場合、退職の意思を伝えてから実際に辞めるまでに1ヶ月以上かかることが一般的ですが、アルバイトやパートは比較的短期間で退職できることが多いです。「この仕事は自分に合わないな」と感じた時に、気軽に次のステップへ移れるフットワークの軽さはメリットと言えます。

正社員からフリーターになるデメリット

自由なイメージのあるフリーターですが、もちろんデメリットも存在します。メリットだけでなく、厳しい現実も知っておくことが大切です。具体的には以下の通りです。

収入が不安定になりやすい

フリーターの収入は不安定になりやすいという大きなデメリットがあります。多くは時給制のため、祝日が多い月や、体調を崩してシフトに入れなかった月は収入が直接減ってしまいます。また、会社の業績によってはシフトを減らされる可能性もあります。毎月安定した収入を得られる正社員と比べると、常に収入の変動リスクがあることを覚悟しておく必要があります。

ボーナスや退職金がない

フリーターには、基本的にボーナスや退職金がありません。正社員であれば、毎月の給料に加えて夏と冬にボーナスが支給されたり、長年勤めれば退職金がもらえたりします。これらがないフリーターは、正社員と比べて生涯で得られる収入に大きな差が生まれる可能性があります。目先の自由だけでなく、長期的な視点での収入計画が重要になります。

社会的信用度が低くなることがある

フリーターは正社員に比べて社会的信用度が低いと見なされることがあります。これは、クレジットカードを作成する時や、アパートを借りる時、車や家のローンを組む時などの審査に影響します。収入が不安定だと判断されると、審査に通りにくくなるケースが実際にあります。将来、自分の生活基盤を築いていく上で、この点は大きな壁になる可能性があります。

スキルアップやキャリアアップが難しい

フリーターの仕事は、キャリアアップの難しさもデメリットです。任される仕事が単純作業や補助的な業務であることが多く、専門的なスキルや経験を積む機会が少ない傾向にあります。そのため、年齢を重ねてから正社員を目指そうと思っても、アピールできるスキルや実績が乏しく、就職活動で苦労する可能性があります。将来のキャリアを見据えた働き方がしにくい点は、大きな懸念点です。

フリーターになる前に一度立ち止まって考えること

フリーターになる決断をする前に、いくつか考えておきたいことがあります。勢いで辞めて後悔しないために、以下の点をチェックしてみましょう。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

なぜ正社員に疲れたのか原因を考える

まずは、疲れの根本原因は何かを冷静に分析してみましょう。疲れの原因は「人間関係」ですか？それとも「仕事内容」や「労働時間」でしょうか。もし人間関係が原因なら、別の会社に転職すれば解決するかもしれません。仕事内容が合わないなら、職種を変えるという選択肢もあります。原因をはっきりさせることで、フリーターになる以外の解決策が見つかる可能性があります。

フリーターになった場合の生活費を計算する

次に、具体的な生活費を計算することが重要です。家賃、光熱費、食費、通信費、交際費など、毎月最低限いくら必要なのかを把握しましょう。その金額を稼ぐために、時給いくらの仕事を、週に何時間する必要があるのかをシミュレーションします。この計算をすることで、フリーターとして生活していくことの現実味が見えてきますし、仕事探しの具体的な目標も立てやすくなります。

今の会社で働き方を変えられないか検討する

退職を決める前に、今の会社で解決策を探ることも一つの手です。例えば、上司に相談して部署を異動させてもらう、残業を減らせないか交渉する、といった方法があります。会社によっては、時短勤務制度や休職制度が利用できる場合もあります。今の環境が辛いからといってすぐに辞めるのではなく、会社のリソースを活用して状況を改善できないか、一度検討してみる価値はあります。

正社員からフリーターになるために必要な手続き

もしフリーターになることを決めたら、退職に向けて必要な手続きを進めることになります。スムーズに退職するために、以下の手続きの流れを把握しておきましょう。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

会社の就業規則に沿って退職の意思を伝える

まずは、会社の就業規則を確認し、退職の意思表示をいつまでに、誰にすべきかを確認します。一般的には、退職希望日の1〜2ヶ月前までに、直属の上司に口頭で伝えるのがマナーです。その後、指示に従って退職届を提出します。円満に退職するためにも、会社のルールを守り、引継ぎなどをしっかりと行うことが大切です。

健康保険を任意継続か国民健康保険に切り替える

退職すると、会社の健康保険から脱退することになります。そのため、健康保険の切り替え手続きが必要です。選択肢は主に2つあり、一つは会社の健康保険を最長2年間継続できる「任意継続」、もう一つはお住まいの市区町村が運営する「国民健康保険」に加入する方法です。どちらがお得かは収入状況などによるため、役所の窓口で相談してみると良いでしょう。

国民年金への切り替え手続きを行う

会社員が加入している「厚生年金」から、国民年金への切り替え手続きも必要です。退職後14日以内に、お住まいの市区町村の役所の年金窓口で手続きを行います。手続きを忘れると、将来もらえる年金が減ってしまう可能性があるので、忘れずに行いましょう。収入が少なく保険料の支払いが難しい場合は、免除や猶予の制度もありますので、窓口で相談してください。

必要であれば失業保険の受給手続きを行う

退職理由や雇用保険の加入期間によっては、失業保険の受給手続きを行うことで、再就職までの生活費の支援を受けられます。自己都合で退職した場合でも、一定の条件を満たせば受給が可能です。手続きはお住まいの地域を管轄するハローワークで行います。次の仕事を探す間の大切なセーフティーネットになるので、自分が対象になるか確認してみましょう。

フリーターからでも正社員は目指せる？

一度フリーターになっても、再び正社員を目指す道は十分にあります。フリーター経験を活かして、自分に合った正社員の仕事を見つけるためのポイントを紹介します。

若い世代向けのポテンシャル採用枠を狙う

20代であれば、ポテンシャル採用を積極的に狙うのがおすすめです。ポテンシャル採用とは、これまでの経験やスキルよりも、その人の将来性や人柄、やる気を重視する採用方法です。フリーター経験しかなかったとしても、「これから頑張りたい」という熱意を伝えれば、未経験から正社員として採用してくれる企業はたくさんあります。若さは大きな武器になります。

人手不足の業界や職種を検討する

介護、建設、運送、IT業界などは、現在人手不足の業界として知られており、未経験者を積極的に採用しています。これらの業界は、研修制度が充実していることが多く、働きながらスキルを身につけてキャリアアップを目指せます。「特にやりたいことがない」という場合でも、まずはこうした業界の求人を見てみると、興味を持てる仕事が見つかるかもしれません。

アルバイトで経験を積んで正社員登用を目指す

将来正社員になりたい業界や職種が決まっているなら、まずはその分野でアルバイトとして働き、正社員登用制度を目指すのも有効な手段です。実際に現場で働くことで、仕事内容への理解が深まりますし、真面目な働きぶりを評価されれば、正社員への道が開けることがあります。企業側も、人柄や仕事ぶりを理解した上で採用できるため、ミスマッチが少ないというメリットがあります。

働き方に悩んだらプロに相談する選択肢も

正社員に疲れてフリーターになるべきか、それとも転職して環境を変えるべきか。一人で考えていると、堂々巡りになってしまうこともあります。そんな時は、キャリアのプロに相談するのも一つの有効な手段です。

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